研究室紹介
研究室一覧
次世代量子センサー研究室
教員
私たちの研究室は、ナノダイヤモンド中の窒素-空孔中心を活用したナノ量子センサーを生命科学の領域へ展開する先駆者として活動しています。私たちが取り組む研究範囲は、革新的なセンサー材料の開発から、計測方法論の考案、先進的な計測装置の開発に至るまで幅広く、さらに実際の生命研究への応用も進めています。この研究により、病気の超早期診断や細胞内の微細な変化を観察する技術の変革を目指しており、未来の医療や生命科学研究への貢献を追求しています。
https://doi.org/10.1016/j.pnmrs.2022.12.001 より転載
構造生物学研究室
教員
タンパク質などの生体分子は、大きいものでは数百万を超える原子が特定の形を形成かつ変化させることで、その分子固有の機能を発揮します。私達の研究室では、複数の量子技術(放射光X線/中性子回折・散乱など)を量子化学計算やシミュレーションにより組み合わせることで、生体分子を構成するすべての原子情報を含む「高精度」で、その機能を反応のすべてにおいて「連続的」に理解することに取り組んでいます。私達の究極の目標は従来の「原子」構造生物学を超えた「量子」構造生物学の創成です。
細胞機能制御研究室
教員
タンパク質品質管理システムは、生体内の異常なタンパク質を適時分解し、体をきれいに保つ働きをします。当研究室では、細胞外の異常タンパク質を選択的に認識し、分解へ導く経路を発見しました。現在我々は、細胞外の異常タンパク質分解システムや、細胞内タンパク質分解系オートファジーが、どのように生体内の異常タンパク質を分解するのか、培養細胞とマウスを用いた分子細胞生物学的・生理学的解析を進めています。これにより、体液内プロテオスタシス研究分野を開拓し、アルツハイマー病などのタンパク質蓄積病のメカニズムを解明して、新たな治療法の開発を目指しています。
生体構造化学研究室
教員
千葉大学 教授
村田 武士
連絡先:t.murata(at)faculty.chiba-u.jp
研究室URL
千葉大学 准教授
小笠原 諭
千葉大学 特任准教授
安田 賢司
千葉大学 特任助教
鈴木 花野
膜タンパク質はシグナル伝達などの役割を果たしていることから重要な創薬標的であり、市販の医薬品の50%以上が膜タンパク質に作用することが知られています。生体構造科学研究室では、理論的耐熱化技術、機能性抗体作製技術等の独自の技術を駆使して、膜タンパク質の生産及び立体構造の解明に取り組んでいます。得られた膜タンパク質の「カタチ」の情報や、抗体・化合物の情報をもとに、アカデミア発の創薬を目指します。
生体分子モーター研究室
教員
千葉大学 教授
伊藤 光二
連絡先:k-ito(at)faculty.chiba-u.jp
私は真核生物に普遍的に存在する分子モーター、ミオシンの研究に携わっています。ミオシンはATPの化学エネルギーをアクチンの運動エネルギーに変換し、動物においては個体・器官・細胞、細胞内などあらゆるレベルの運動に関わっています。興味深いことに、なり動かない植物にもミオシンは存在し、その速度は動物のミオシンより高速です。私は植物ミオシンを中心にミオシン機能の多様性と普遍性のメカニズムを明らかにすることを目指して研究を行っています。
生体分子シミュレーション研究室
教員
千葉大学 客員准教授
櫻庭 俊
連絡先:sakuraba.shun(at)qst.go.jp
タンパク質や核酸などの生体高分子の構造やダイナミクスの観点から、分子の機能発現のメカニズムを解明します。X線結晶構造、NMR、電顕などによって決定された分子の立体構造から、量子化学計算、古典分子動力学計算、そして、光ピンセットによる単一分子測定によって、分子の安定性やダイナミクスの解析を行い、詳細な分子の運動や分子同士の相互作用を調べています。
精密有機反応化学研究室
教員
医薬品などの有機機能性材料の創製において、有機合成化学は重要な手法です。当研究室では、生体内模倣型反応を基盤とするグリーンケミカルプロセス(環境調和型合成プロセス)を志向した反応開発を行っており、ヨウ素や臭素などのハロゲンの酸化を駆使した新規分子変換反応や新規不斉有機触媒の創製を重点的に進めています。これまでにも興味深い分子変換反応を達成しております。さらに、これらの手法を用いた機能性有機化合物や天然物の合成へと展開しています。
タンパク質機能解析研究室
教員
千葉大学 客員教授
安達 基泰
連絡先:adachi.motoyasu(at)qst.go.jp
タンパク質科学は、この半世紀の間に、遺伝子組換え、立体構造解析、質量分析、量子化学計算など、様々な技術によって成熟してきた。現在は、一つに、それぞれのタンパク質に対する深い研究が求められている。当研究室では、蛍光タンパク質を題材にして、タンパク質が大きな分子としての凝集体であるだけなく、規則性をもった立体構造でしか成すことのできない特殊な機能性を発揮する分子と考え、新たな物理化学現象を示すようなタンパク質の魅力を探求する。
電子物性生命科学研究室
教員
千葉大学 客員教授
藤井 健太郎
連絡先:fujii.kentaro(at)qst.go.jp
我々の研究室では放射光などの量子技術を用いた分光解析によってタンパク質などの電子状態を解析することで量子状態がどのように機能に結びついているかを研究しています。放射光のエネルギー特性や偏光特性を活用することによって、生体内の特定の状態を選択した解析を行っています。
量子再生医工学研究室
教員
温度、pH、ラジカルなどといった「物理化学量」を細胞レベルで計測可能なナノ量子センサーなどの量子マテリアルを最先端医工学である再生医工学などに応用することで、幹細胞や再生細胞の細胞状態を、移植前の品質管理、さらには移植された生体内環境・組織・臓器において計測・診断するための技術創製に取り組みます。そして、生体内外での幹細胞や再生細胞の細胞状態の理解を深めるとともに、再生医学・発生学分野への貢献を目指します。
量子生命情報科学研究室
教員
千葉大学 客員教授
八幡 憲明
連絡先:iqls-info(at)qst.go.jp
生物では、分子、細胞、これを構成要素とする組織や器官など、スケールの異なる生命階層間での相互作用を通して、1つの生命体としてのまとまりが保たれています。私たちは、脳を主な検討対象として取り上げ、特定の階層で起こる現象がいかに他階層へ波及し、一個体としての振る舞いに影響を及ぼすかという脳神経科学の基本問題に、先進的な生体計測技術・情報解析技術を駆使しながら挑んでいます。
量子神経マッピング制御研究室
教員
千葉大学 客員准教授
田桑 弘之
連絡先:takuwa.hiroyuki(at)qst.go.jp
研究室URL
脳は、ヒトの心を生み出す重要な臓器です。ヒトは、腕を失っても足を失っても内蔵の一部失っても、誰かと話しができるし心を通わせることができます。しかし、脳が破壊されるとそのような意識的な行動すべてが失われてしまいます。この脳を健康に保つためには、仕組みを知ることが重要です。そのために私たちは、生きた動物の脳の中を直接覗いて小さな細胞を観察し、その役割を知りたいと考えています。レーザー顕微鏡や量子計測技術は、そんな脳の覗き窓を私たちに提供してくれます。図は、その先端的技術で観察したニューロンやグリアや血管など色々な細胞や、認知症などの病気の原因となる異常なたんぱく質、そしてナノサイズの量子センサーです。脳の中の生きた細胞がみせる多様な生命現象を観察し、細胞同士の相互関係を理解し、脳を健康に保つための方法を探しています。
量子超偏極 MRI研究室
教員
千葉大学 客員教授
高草木 洋一
連絡先:takakusagi.yoichi(at)qst.go.jp
分子代謝は生命活動に必要なエネルギーや生体分子を産生する根源的な仕組みであり、その異常をいち早く検知することは、発症の未然防止や早期診断に直結します。量子超偏極 MRI 研究室では、NMR/MRI の高感度化技術である超偏極を駆使し、分子代謝の直接観測を可能とする技術開発や、これによるがんや未病の超早期診断・治療を実現する「代謝診断治療」の創成を目指して研究を進めています。
量子認知脳科学研究室
教員
千葉大学 客員教授
山田 真希子
連絡先:yamada.makiko(at)qst.go.jp
研究室URL
量子確率論の数理モデルを用いてこころが脳から生じる仕組みを解き明かす
本研究の目的は、量子確率論の数理モデルを認知脳科学研究に応用することで、従来の古典確率論では説明が困難であった意識や認知の不定性を記述・予測することです。このことにより、科学が未だ解決できていない問題「複雑な神経情報がどのように結び付けられて、意識の中で1つの認識(感覚や記憶、自己認識など)にまとめられるのか」という意識生成メカニズムの根本的理解を目指します。
有機分子化学研究室
教員
千葉大学 教授
吉田 和弘
連絡先:kyoshida(at)faculty.chiba-u.jp
研究室URL
アミノ酸は究極の循環型材料として自然界を下支えしています。一方で、様々な研究の現場においても、アミノ酸は欠かすことのできない材料として利用されています。例えば、有機化学の研究領域に限ってみても、不斉触媒、医薬品、生分解性プラスチックなどを合成する際のキラルビルディングブロックとしてアミノ酸は広く活用されています。我々の研究室では、例えば、アダマンタン骨格を持つような新たなアミノ酸の開発研究を行っています。